ぽんどさんの飽きない英国

いよいよ60.英国行ったり来たり

ラグビーワールドカップ スタジアム最終観戦 3位決定戦

 

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3位決定戦パネル


11月1日(金)東京の味の素スタジアムはワールドカップの最終戦。 3位決定戦となるウェールズニュージーランド。9月21日から始まったワールドカップは、30度越えの日々から、いくつかの台風を挟み、秋の日差しになってきた。

 3位決定戦なら、英国のどこかが勝ち残ってくれているだろうと、購入したチケット。これまでパブ観戦だったウェールズを見ることができた。

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すっかりおなじみになったマスコット レンジー

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ウェールズの熱烈サポーター

 日本ネギをもった日本人の応援映像が、230万再生されたこともあり、日本でもウェールズのシンボルがリーキであることは、水仙よりも知れ渡ったようだ。今回客席は日本人が7割近いイメージ。圧倒的にスタジアムは黒い。そこに桜のユニフォームやアイルランドや、イングランドの応援外国人もちらほら。でもオールブラックス応援が優勢。

 先日は、即位の礼でお越しのプリンスオブウェールズチャールズ皇太子殿下もウェールズチームの激励に練習場を訪問していらした。いよいよそのレッドドラゴンの最終戦!相手はイングランドが破った、ニュージーランドオールブラックス

 

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これで代表引退のアラン・ウィン・ジョーンズ

 ノックアウトラウンドになると、一つ、また一つとチームが去っていくので、寂しくなる。そのうえ、コーチのみならず、ベテラン選手たちは代表も引退ということが多く、アラン・ウィン・ジョーンズにしても、オールブラックスのリードにしても、これで代表として見納めと思うと、胸に迫るものがある。ベテランといっても30台半ば。いかにハードなスポーツかわかる。ウェールズは北九州でキャンプをして、地域のもてなしに感謝してくれ、試合終了後、いつも日本流のお辞儀を返してくれる心優しいチーム。無骨で実直なプレーで知られる、ウェールズは炭鉱で栄えた有名な地域で、北九州市も重工業地域。両者の親和性は高い。今回はオールブラックスのハカと、ウェールズのお辞儀も楽しみ。

 

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ダン・ビガーのウォーミングアップ

 

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ラインアウトの練習

ウェールズは早くからキッカーが出てきている。

 なるほど準決勝以上になってくると、どのチームも体格の良さが目立ってくるような気がする。スタンドオフのダン・ビガーは188cm。実際みると、大きい。ラインアウトの練習に出てきた、キャプテンのアランに至っては、196cm。上からみてても、いやはや大きい。あんな巨体が高々と上がるなんてすごい。

 選手らの柔軟体操の様子をみていると体が柔らかい。だからあんな強い当たりが多く、出血しても、ともかく「怪我」で済んでいるのだろう。なんでも1試合で6キロも減るともいう。80分あんなに走って、あたっていればさもあらんとうなずける。

 

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ハカに対峙するレッドドラゴン

 代表引退のキャプテン キーラン・リードが音頭をとった今回のハカ。前回対アイルランド戦では、アイルランドの大声援でハカがテレビでも、スタジアムでも聞こえなかったようだが、今回はしっかり聞こえた。レッドドラゴン陣は、肩を組んで、これに対峙していた。

 試合はオールブラックスがいつもの様子を取り戻し、17-40で、ウェールズは対ニュージーランドに、1963年以降の連敗となった。

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ウェールズチームのお辞儀

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オールブラックスのお辞儀

 試合の最後に両チームは、観客に向かってお辞儀をしてくれた。ウェールズは四方に向かってのお辞儀。郷に入っては郷に従えと、日本の習慣を自然に受け入れてくれた両チームに心から拍手を送りたい。ウェールズも四国くらいの大きさで、羊のほうが人より多いといわれている。ニュージーランドオセアニアの島国。通じるものがあるのだろう。ワールドカップを通して感じたのは、フェアプレーや紳士的なふるまいがチームに身についていること。洪水のボランティア作業をしてくれたカナダチーム。地域の子供たちのラグビー教室をしてくれた数々のチーム。こうした市民との草の根の交流で、日本を好きになるチームや、外国からのラグビーファンが楽しい今回の思い出とともに、また日本を旅しようと思ってくれることを祈る。

 

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戦いが終わり、優しいパパに

 オールブラックスの3位メダル授与が終わり、無冠のウェールズで子供のいる選手たちは、スタジアムに家族を迎えに歩いていき、かわいい子供たちの手を引いたり、抱えてグランドに。先ほどまで、闘志のオーラで、汗を滴らせ、血が滴るような戦いを繰り広げていたドラゴンたちも、やさしいパパの顔つきになっていた。

 スタジアムから飛田給駅に向かう道の端では、ボランティアの青年がハモニカで、対戦両国のアンサムを演奏。外国人サポータからも自然に拍手が起こる。真心のこもったおもてなしに心の交流。

 明日の決勝戦でとうとうおしまいのワールドカップ。駅までの道は、最後に少しでも売り切ろうと、応援チームマフラーと「必勝ハチマキ」を売る外国人のおじさん。

 

 金曜夜の京王線の通勤電車は、臨時停車の飛田給からは、黒っぽいサポーターで寿司詰め状態。ワイワイ元気な高校生くらいだろうか、ニュージーランドの女の子たち。そのうちニュージーランドのサポーターの一団から「カントリーロード」の合唱が起こる。車両の向こう側から、アイルランドのウェアの男の人もそれに合わせて歌い始める。一体どこの国の電車だろう。でも今日ばかりは車内が多少うるさくても、いいんじゃないかな?いつもの皆むっつりして、スマホをいじる無言の車両より、こんな笑顔いっぱいの暖かい歌声なら。